私たちは変わるべきなのか?それとも今を受け入れるべきなのか?

日々苦悩しながら生きる人間として、私たちはもっと変わるべきなのでしょうか?

あるいは今の自分を受け入れるべきなのでしょうか?

 

たしかにいつも自分を「ダメだダメだ」と責め続けているタイプの人にとっては、今の自分を受け入れることによって、日々の気持ちはとても楽になるでしょう。

 

反対に賭け事やアルコールや親しい人との日常的な喧嘩などをやめたいと思っている人にとっては、「少しでも行動を変えていく工夫」が必要とも言えるでしょう。

 

一方で「今のままの自分でいいんだ」と心底思えることで初めて、これまでと違った自分でいられるようになれるという逆説もあり得ます。

 

さらに、「自分や相手の心理を見抜く(現実を見通す)ことによって、行動はこれまでと変わらなくても、その意味が決定的に違ってくる」と言うこともあります。

 

現実を見通すということは、視点が変わるということでもあります。

さらには、現実の裏で進んでいる「より深い現実を、さらに深く見通す」ということもであります。

 

視点が変わるということの代表的なものに、「物事を見るタイムスパンが変わる」ということもあります。

これは例えば、「これまで目の前のことだけを見ていたのが、もっと長期的な視点に立てるようになる」ということとか、「先々の不安にかられて、今すべきことに手が付けられない」という状態から「先のことを考えずに、今すべきことをコツコツできるようになる」などの変化です。

 

このように「変わることと変わらないこと」を巡っては、さまざま事象が考えられて、まじめに考えれば考えるほど頭が混乱してきます。

 

このような混乱を少し整理してくれるのが、ニーバー,R.の祈りの言葉です。

この機会に、有名な冒頭部分に加えて、それに続く日々の生活に関する部分も引用します。(原文ー日本語訳の順)

 

God, give us grace to accept with serenity
the things that cannot be changed,
Courage to change the things
which should be changed,
and the Wisdom to distinguish
the one from the other.

Living one day at a time,
Enjoying one moment at a time,
Accepting hardship as a pathway to peace,
Taking, as Jesus did,
This sinful world as it is,
Not as I would have it,
Trusting that You will make all things right,
If I surrender to Your will,
So that I may be reasonably happy in this life,
And supremely happy with You forever in the next.

Amen.

 

神よ、恩寵を私に与えて下さい
変えられないものを静穏に受け入れるために
与えて下さい 
変えるべきものを変える勇気を
そして、変えられるないものと変えるべきものを
区別する賢さを私に与えて下さい

一日を一度に生き、
一瞬を一度に楽しみ
平和へと向かう小道として困難を受け入れる
神がしたように、
この罪深い世界をそのままに受け入れる
私がそれを味わうようにではなく
あなたが全てを正しくされることを信じる
もしあなたの意志に身を委ねたならば、
この人生が適度に幸福なものとなり得るように、
そして、天国で永遠のあなたとともに至福を味わうために

アーメン

 

(引用以上)

 

15年前に訪問したサンフランシスコのアルコール依存症者のための自助グループAA(アルコホリックス・アノニマス)でも、まず全員で手をつないでこの祈りを唱えることから始めていました。

 

僕はクリスチャンではありませんが、この祈りは大好きです。

生半可な哲学的思考や心理学的分析よりも、人間の実態と指向性について正確に捉えていると思えるからです。

 

実際にはこの祈りの言葉とは反対に「変わるものと変わらないもの」を取り違えて、自分や相手に強要する人や、施設や制度がいかに多いことかも含めて、このように祈るしかないというのが、私たちが生きている現実だと思うのです。

 

そして、日々祈ることによって、少しずつ私たちがこの方向に導かれていくのだろうと思うのです。

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